2025/4/20

250420_40代から挽回した夫婦

「家計逆転劇──40代で見直した“時間とお金”の使い方」

 

1.「貯金が増えない…」と言えなかった私たちの小さな違和感

「このままの生活で、本当に将来は大丈夫なんだろうか…」
そんな疑問を抱きながらも、口には出せないまま過ぎていく日々がありました。

夫は40歳、私は38歳。2人の子どもを育てながら、仕事と家事に追われる毎日。
夫は中小企業で工場の組み立てラインに勤務、私は近所の仕出し屋さんでパートをしています。特別裕福ではないけれど、旅行にも行けるし、子どもたちの習い事にも通わせている。「普通の生活」はできていると感じていました。けれど、ある日ふと通帳を見て、思っていた以上に貯金が増えていないことに気がつきました。
収入はそれなりにあるのに、なぜかお金が残らない。無駄遣いをしているつもりはないのに、どこかに「見えない穴」がある気がする。そんな小さな違和感が、だんだんと心に広がっていきました。

「何かがおかしい」でも「何を変えたらいいのかわからない」——
そのもどかしさこそが、これから訪れる“人生後半の危機”の前触れだったのです。もしあなたも、同じような感覚を抱えているなら、それは偶然ではありません。
この先の話は、ごく普通の家庭が「現実的な方法」で家計と人生を立て直していった物語です。
特別な才能も、爆発的な収入もなくても、未来は変えられる——その一歩を、これからご紹介していきます。

 

2.教育費と住宅ローン、そして老後──押し寄せる“三重苦”の現実

子どもが成長するのは嬉しいことです。でもその一方で、家計にのしかかる重みは年々増していくのが現実です。「そろそろ高校の進学を考えないとね」
「大学の学費って、どれくらいかかるの?」
夫婦の会話にそんな言葉が増えてきた頃、私たちはようやくお金の流れに向き合わざるを得なくなりました。改めて見てみると、家計には想像以上の“負担の波”が押し寄せてきていたのです。

まずは、教育費の増加です。
私立の中学や高校に通うとなれば、年間数十万円の授業料に加えて、教材費や塾代、交通費が重なります。大学進学ともなれば、さらに数百万単位の費用が数年続きます。次に、住宅ローンの存在。
毎月の支払いは決して軽くありません。ボーナス月の返済や固定資産税など、思いがけないタイミングで資金が必要になることも少なくありません。そして最後に、老後資金の不安です。
定年後の生活費を考えたとき、「年金だけで本当に足りるのか?」という不安が湧き上がります。医療や介護、生活費の備えを考えれば、2,000万円以上の老後資金が必要とも言われている時代です。

 

このようにして、私たちの家計には

  • 教育費
  • 住宅ローン
  • 老後資金

という**「三重苦」**が重なっていたのです。
そしてそのどれもが、「ある日突然やってくる」ものではなく、気づけばすぐそこまで来ているという性質を持っています。収入は急に増えません。でも支出は、子どもの成長とともに確実に増えていく——。
このままいけば、貯蓄は減り続け、老後に備える余裕すらなくなってしまうのではないか。
そんな危機感が、ようやく現実のものとして見えてきた瞬間でした。

 

3.家計が苦しくなるのは、“収入”のせいではなかった?

「年収500万円もあるのに、なぜこんなに苦しいのだろう?」
それが、私たち夫婦の共通した疑問でした。確かに収入は多くありませんが、極端に低いわけでもありません。外食は月に1〜2回。習い事は子ども1人につき2つまで。旅行も年に1〜2回に抑えていました。無駄遣いはしていないつもりだったのです。でも、実際に残るお金はほとんどありませんでした。
そこで、私たちは思い切って家計の流れを「数字」で見える化することにしたのです。

すると、ある事実が浮かび上がってきました。
それは、固定費の重さ”と“なんとなくの出費”の積み重ねでした。

  • 習い事の月謝 → 月に2万円
  • 携帯代 → 夫婦で月5万円
  • 住宅ローン → 月8万円
  • 保険料 → 月5万円
  • 食費・日用品 → 月10万円前後

細かく見れば、どれも「必要な支出」のように思えます。でも、この“必要と思っていたこと”こそが、家計の圧迫要因だったのです。

もうひとつ見逃せなかったのが、時間の使い方でした。

夫は仕事で疲れて帰ってきて、土日は休息に費やす。私はパートと家事に追われ、収入を増やす手立てを考える余裕がありませんでした。
つまり、「働き方」も「暮らし方」も、10年前と何も変わっていなかったのです。その結果、家計の構造自体が古いまま固定され、変化に対応できない体質になっていたのだと気づきました。家計が苦しかった原因は、「収入の低さ」ではありませんでした。
変えずに放置していた“仕組み”が、じわじわと首を締めていたのです。

この気づきは、ある意味ショックでした。けれど同時に、「だったら変えられるかもしれない」という小さな希望も見えてきたのです。

次章では、私たちだけではない——多くの家庭が似たような悩みを抱えているという現実をお伝えします。

 

4.「うちも同じです」──実は誰もが抱えている40代の家計不安

私たちが家計の見直しを始めた頃、何気なく周囲の友人や同僚に「最近、お金のやりくりが難しくて…」と話してみました。
すると返ってきたのは、意外なほどの共感の声でした。「うちもそうだよ」「貯金が全然増えなくて焦ってる」「教育費って、こんなにかかるんだね…」
誰もが似たような悩みを抱えていることに気づいたのです。

 

40代は、収入のピークが見え始める一方で、支出が最も膨らむ時期でもあります。

  • 子どもが中学・高校・大学へと進学
  • 習い事や塾通い、受験対策が本格化
  • 住宅ローンやマイホームの維持費
  • 親の介護や冠婚葬祭など、突発的な出費
  • そして、見えない将来への“老後不安”

どれも目の前に現れてくるのは40代半ばから50代前半です。
にもかかわらず、この時期に思うように収入が増えないことに、焦りや不安を感じる方がとても多いのです。それでも、なかなか口に出せないのが「お金の話」ではないでしょうか。「恥ずかしい」「情けない」「うちだけじゃないか」という気持ちが邪魔をして、本音を話せずにいる方が多くいます。
でも、実は“うちも同じ”という家庭こそが、圧倒的に多いのです。ある調査では、40代で貯金がほとんどない世帯は3割以上にのぼると言われています。
しかも、その多くが「普通に暮らしている」ように見える家庭です。つまり、「見た目ではわからないだけ」で、家計に対する不安は、誰にとっても身近な問題なのです。だからこそ、もしあなたも似たような不安を感じているなら、それは決して特別なことではありません。
声に出さなかっただけで、多くの人が同じ場所でつまずいているのです。私たち夫婦も、そこから一歩踏み出して初めて、「自分たちの人生を取り戻す力がある」ことに気づけました。

次の章では、実際に私たちがどのようにして家計を立て直していったのか、**5年ごとの“現実的な挽回ストーリー”**をご紹介します。

 

5.5年ごとの戦略と小さな変化が、家計と未来を変えた

家計を見直すと決めたとき、私たちは「いっきに変えよう」とは思いませんでした。
それよりも、5年ごとに“今できること”をひとつずつ整えることにしたのです。

 

1)前半戦:40歳〜45歳「家計の基礎体力をつける」

最初に取り組んだのは、日々の支出の見直しです。

  • 習い事は子どもと相談して厳選
  • 旅行は年2回から年1回へ
  • 携帯代は格安プランに変更
  • 外食の回数を見直して自炊を増やす

その結果、年間30万円以上の支出が圧縮できました。
このお金をまるごと「教育費準備」にまわすことで、貯金を崩さずに済む“ゆとり”が生まれました。

 

2)中盤戦:45歳〜52歳「教育費ピークに備える」

この時期は、子どもたちの進学で支出が大きく増えることが確定しているフェーズです。
私たちは“収入を増やす”方向にも舵を切りました。

  • 妻は週4日勤務から週5日に。さらに時給の高い職場へ転職
  • 夫は社内資格を取得してリーダー職に昇格
  • 空いた時間で副業にチャレンジ(月1万円の副収入)

これらの取り組みで、世帯年収は手取りベースで約550万円まで回復。
学費や塾代が重なる時期でも、貯蓄の取り崩しを最小限に抑えることができました。

 

3)後半戦:52歳〜60歳「老後資金を取り戻す」

子どもたちが大学に進学した頃、ようやく教育費のピークを越える兆しが見えてきました。

ここからは、老後の準備を“現実的に”スタートするフェーズです。

  • 住宅ローンの繰り上げ返済(貯蓄の一部を活用)
  • つみたてNISAとiDeCoを月5万円ずつ開始
  • 娘と息子は自宅から通える大学を選び、生活費を最小限に

これにより、60歳時点で老後資金は2,000万円を超える見通しが立ちました。
「これで、年金だけに頼らなくても暮らしていけるね」と、夫婦で顔を見合わせたときの安心感は、今でも忘れられません。

 

このように、私たちは**“5年ごとにやることを決めて実行する”**というシンプルな方法で、
家計の不安を段階的に解消していきました。何か特別なことをしたわけではありません。
でも、「見直し」「調整」「行動」を地道に繰り返すことで、気づけば未来の景色がまったく違って見えるようになったのです。

次の章では、この挽回の本質は“特別な知識”ではなく、“気づいた今どう動くか”にあることをお伝えしていきます。

 

6.人生を変えたのは、特別なことではなかった

ここまで読んで、「自分にはそんなことできそうにない」と感じたかもしれません。
でも、私たちがやってきたことは、どれも特別な才能や知識が必要なものではありませんでした。

  • 支出の見直しをして
  • 収入の増やし方を少しだけ工夫して
  • 夫婦で“これから”を話し合って
  • 毎月少しずつ積み立てる

やっていることは、どれも**「今すぐあなたにもできる、小さな選択」**ばかりです。

 

人生を大きく変えるのは、劇的な出来事ではありません。
「気づいた今」に、小さな行動を積み重ねていくことこそが、本当の変化のきっかけになります。そして私たちは、その変化を「5年後」に確かに感じました。
あれほど不安だった老後も、「これなら大丈夫かもしれない」と思えるようになったのです。もちろん、予期せぬことも起こります。
病気、親の介護、会社の変化——人生に保証はありません。
でも、整える力”を40代から身につけておくことで、未来に対する柔軟性が生まれます。これからの人生に必要なのは、「何が起きても立て直せる土台」なのだと、私たちは実感しています。

もし今あなたが、不安や焦りの中にいるなら、
その気持ちは未来を変えるためのスタート地点なのかもしれません。小さくても、今動くこと。
それが、これからの10年、20年を大きく変えていく力になるのです。

 

7.関連記事のご紹介:あわせて読みたい「お金・キャリア・人生設計」記事

人生を整えるためには、家計だけでなく、キャリア・学び・働き方といった視点も欠かせません。
ここでは、今回のテーマと関連性が高く、これからのあなたに役立つ記事をご紹介します。

 

1)「50代からのキャリア再設計術」

定年が見えてくる年代にこそ、キャリアの見直しは必要です。
「今の働き方をこのまま続けていいのか?」と感じたときに、次の選択肢が見つかる一編です。
 自分に合った収入の作り方を見つけたい方におすすめ。

 

2)「生涯学習のすすめ:学び直しが人生を変える理由」

収入を増やす鍵は、スキルだけでなく「学ぶ姿勢」にあります。
年齢を理由にあきらめない——40代・50代から学び直した事例もご紹介しています。
 副業や転職を見据えて“武器”を手にしたい方へ。

 

3)「100年時代の資産運用戦略」

長く生きる時代において、資産の守り方・増やし方は知っておきたい知識のひとつ。
インフレやリスクへの備え方など、初心者にもわかりやすく解説しています。
 貯めるだけでなく“育てるお金の管理”を始めたいあなたへ。

 

どの記事も、今のあなたの「ちょっとした不安」や「ぼんやりとした疑問」に寄り添いながら、次の一歩を“安心して踏み出すための道しるべ”**になる内容ばかりです。ぜひ、この機会に気になる記事を手に取り、あなたのこれからを整えるヒントにしていただけたら嬉しいです.

 

以上です。