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2025/12/7
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251207Zモニター-財政破綻しない日本 |
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251207Zモニター-財政破綻しない日本 ![]()
前回は、“ 財務省による“横ヤリ”とされる動きは、表向きには財政規律の維持という合理性を伴っています。しかし、その結果として、AIや科学技術、中小企業支援といった未来を切り拓く分野が初期段階で削られているとすれば、それは日本全体にとって大きな損失です。短期的な帳尻を合わせても、長期的な成長の芽を摘んでしまえば、あなたの生活は決して楽にはなりません。 一方で、電気・ガス補助金の事例が示したように、政治が本気で優先順位を示せば、流れは変えられることも明らかになりました。つまり、今の状況は「詰んでいる」のではなく、まさに分岐点に立っていると言えるのです。”と書きました。 これらの判断一つひとつが、日本の10年後、20年後を左右する選択になります。あなたにとっても、この問題は決して遠い政治の話ではありません。 賃金、雇用、事業環境、地域の活力――それらはすべて、どの分野に予算が配分されるのかによって形づくられます。補正予算の行方に関心を持つことは、あなた自身の未来に目を向けることと同義なのです。
日本は本当に財政破綻するのか? ─国会答弁が崩した“30年間の思い込み”—
1.導入:なぜ「日本は財政破綻する」という話を、私たちは疑わなかったのか? 「日本はこのままでは財政破綻する」――この言葉を、あなたはこれまで何度耳にしてきたでしょうか。 国の借金は1000兆円を超え、国民一人当たりでは1000万円。だから増税は避けられず、社会保障が削られるのも仕方がない。そんな説明を、当たり前の前提として受け取ってきたかもしれません。 けれども、その前提は本当に事実なのでしょうか。 もし、日本がすでに「破綻寸前」の国であるなら、なぜ今日も円は使われ、国債は安定して消化され、国家としての信用が保たれているのでしょうか。あなたが日常生活を送れているこの現実と、「いつ破綻してもおかしくない」という物語との間には、どこか違和感が残ります。 実は近年、国会の場でこれまで語られてこなかった“公式見解”が、極めて明確な形で示されました。それは、「日本は財政破綻しない」という事実を、政府自身が正面から認めたに等しい内容でした。 それにもかかわらず、なぜ私たちは30年以上にわたり、同じ不安を抱え続けてきたのか。 本記事では、恐怖ではなく事実を起点に、日本の財政をめぐる思い込みを一つずつ整理していきます。あなた自身が、誰かの言葉ではなく、自分の判断で考えるための材料を、ここから提示していきます。
2.「このままでは日本は破綻する」― ―私たちが抱え続けてきた不安の正体 あなたがこれまで当然のように聞かされてきた「日本は危ない」という話は、実はある特定の語り方によって形づくられてきました。 代表的なのが、「国の借金は1000兆円を超えている」「国民一人当たり1000万円の借金がある」「このままでは日本はギリシャのように破綻する」といった表現です。 これらの言葉は、一つひとつが強い印象を持ち、不安を直感的に理解させる力を持っています。あなたも、詳しい仕組みを知らなくても、「それなら増税も仕方がない」「社会保障が削られるのもやむを得ない」と感じてしまった経験があるのではないでしょうか。 問題なのは、こうした説明が長年にわたり、ほぼ検証されることなく繰り返されてきたという点です。国の財政は極めて専門的で複雑な分野であるため、「難しい話は専門家に任せるしかない」と考え、深く考えることを避けてきた人も少なくありません。 その結果、日本の財政をめぐる議論は、「破綻するか、しないか」ではなく、「どうやって国民に負担を受け入れさせるか」という前提で進められてきました。賃金が伸びなくても、年金が削減されても、「国が苦しいのだから仕方がない」という空気が、社会全体に広がっていったのです。 しかし、本来問われるべきなのは、その前提そのものが正しかったのかどうかです。 本当に日本は、いつ破綻してもおかしくない国だったのでしょうか。それとも、私たちは事実とは異なる物語を信じ込まされてきただけなのでしょうか。次の章では、その分岐点となった国会でのやり取りを手がかりに、この問題を具体的に見ていきます。
3-1.国会で示された“公式見解”―日本国債は本当に返せないのか この問題を考えるうえで、決定的な転換点となったのが、国会で行われたある質疑応答です。 国民民主党の浜野義文議員が、「日本は本当に財政破綻するのか」という核心的な問いを政府に投げかけました。それに対し、当時の財務大臣であった片山さつき氏は、極めて簡潔かつ明確に答えています。 その答弁の要点は、日本国債は変動相場制の下、自国通貨である円建てで発行されており、かつ保有者の大半が国内であるため、債務不履行は考えにくいというものでした。 これは専門用語を並べた曖昧な説明ではありません。政府が公式の場で、「日本は簡単に財政破綻する国ではない」と事実上認めた発言だと受け取ることができます。 ここで重要なのは、この条件がここ最近になって突然成立したものではないという点です。 変動相場制であることも、円建て国債であることも、国債の国内保有比率が高いことも、いずれも何十年も前から変わっていません。それにもかかわらず、この前提が国民に丁寧に説明されることは、ほとんどありませんでした。 もし日本が本当に、家計のように「借金を返せなくなる」危険を常に抱えている国であれば、この答弁は成り立ちません。国家が自国通貨を発行できるという事実は、財政を考えるうえで最も基本的な前提だからです。 それでもなお、「国の借金は危険だ」「将来世代につけを回している」という説明だけが先行してきました。あなたが抱いてきた不安は、こうした前提を省略したまま語られる言葉によって形づくられてきたものだったのです。 次の章では、なぜこのような前提が意図的に、あるいは無意識のうちに省かれ続けてきたのか、その背景にある国家と家計を同一視する誤解について掘り下げていきます。
3-2.国家と家計を同一視するという、致命的な誤解 日本の財政をめぐる議論がここまで混乱してきた最大の理由の一つが、国家と家計を同じものとして扱ってきたことにあります。 あなたも、「国の借金は、結局は私たちの借金だ」という説明を、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。 確かに、家計であれば借金は返さなければなりません。収入には限りがあり、支出が続けば、いずれ資金は尽きてしまいます。この感覚を国に当てはめれば、「借金が増え続ける国は、いずれ破綻する」という結論にたどり着くのは自然です。 しかし、国家と家計は決定的に違います。 国家は、自国通貨を発行する権限を持っています。日本であれば、円を発行できる主体は日本政府と日本銀行だけです。この点が、収入の範囲内でしかお金を使えない家計や企業とは根本的に異なります。 にもかかわらず、財務省や主要メディアは、こうした前提をほとんど説明しないまま、「借金=悪」という家計感覚を国政に持ち込んできました。 その象徴が、「プライマリーバランス黒字化」という目標です。これは、税収の範囲内で歳出を賄うという、家計的な発想を国家財政に当てはめた考え方にほかなりません。 その結果、本来であれば将来の成長につながるはずの投資までが、「赤字になるから」「借金が増えるから」という理由で抑え込まれてきました。教育、科学技術、インフラといった分野が後回しにされてきた背景には、国家を家計のように縛る思考の枠組みがあったのです。 あなたが感じてきた「なぜ必要な支出まで削られるのか」という違和感は、決して的外れではありませんでした。 問題はお金の量そのものではなく、どの前提で財政を考えてきたのかにあったのです。 次の章では、この家計的な見方が、どのようにして「日本は借金まみれの貧しい国だ」という印象を作り上げてきたのか、数字の使われ方に注目しながら整理していきます。
3-3.「借金」だけが語られてきた30年―見えなくされた日本の本当の姿 ここまで見てきたように、国家と家計を同一視する考え方は、日本の財政に対する見方を大きく歪めてきました。 しかし、それをさらに強固なものにしたのが、数字の一部だけを強調する説明です。 あなたも、「日本の国の借金は1000兆円を超えている」という表現を、何度も目にしてきたはずです。この数字だけを見ると、日本は極めて危険な状態にあるように感じられます。 けれども、ここで意図的に語られてこなかった数字があります。 それが、日本が保有している対外純資産です。 日本は長年にわたり、海外に対して資産を積み上げてきた結果、世界最大級の対外純資産国となっています。これは、「日本は世界からお金を借りて生きている国」ではなく、むしろ世界に対して資産を持つ側の国であることを意味します。 さらに、日本は経常収支も長期にわたって黒字を維持してきました。つまり、国全体として見れば、お金が国外に流出し続けているわけではないということです。それでもなお、「借金」だけが強調され、「資産」や「収支構造」について語られる機会はほとんどありませんでした。 これは単なる説明不足ではありません。 負債だけを切り取り、資産を見せないことで、「日本は貧しい」「余裕がない」という印象が作られてきたのです。こうした手法は、しばしば「数字マジック」と呼ばれます。 もしあなたが、家計の説明で「ローン残高」だけを見せられ、預貯金や資産について一切知らされなかったとしたら、どう感じるでしょうか。実際の状況とは関係なく、不安だけが膨らむはずです。日本の財政も、これと極めてよく似た説明のされ方をしてきました。その結果、「国は借金まみれだから、これ以上支出できない」「将来のために今は我慢するしかない」という考えが、疑われることのない常識として定着していったのです。 次の章では、こうした説明を受け続けてきた国民が、実際にどのように感じ、どのように受け止めてきたのかに焦点を当てていきます。恐怖がどのように社会全体の空気を形づくっていったのかを、整理していきましょう。
4.国民はどう感じ、どう受け止めてきたのか こうした説明を長年にわたって受け続けてきた結果、国民の間にはある共通した感覚が静かに広がっていきました。 それは、「よく分からないけれど、国が大変なら仕方がない」という諦めに近い感情です。 あなた自身も、増税や社会保障の削減が話題になるたびに、「不満はあるが、反対しても意味がない」と感じたことはなかったでしょうか。国の財政は難しく、専門家でも意見が分かれる。そうであれば、自分が口を出す余地はない――そう考えるようになった人は少なくありません。 この空気の中で、「将来世代にツケを回すな」「これ以上、国の借金を増やすな」という言葉は、正義のように扱われてきました。 一見すると、責任感のある意見に見えます。しかしその前提には、「日本はいずれ破綻する」という恐怖が、当然のものとして組み込まれています。 その結果、賃金が伸びなくても、経済が停滞しても、「今は耐えるしかない」「国が苦しいのだから仕方がない」という声が、社会のあちこちで聞かれるようになりました。 本来であれば問われるべき政策の是非が、感情的な自己責任論にすり替えられていったとも言えるでしょう。 一方で、「本当にそうなのか」「なぜ日本だけが、これほどまでに緊縮を続けるのか」と疑問を投げかける声も、確かに存在していました。 しかし、それらの意見はしばしば「無責任」「ポピュリズム」といった言葉で片付けられ、主流の議論にはなりにくい状況が続いてきました。 こうして、日本社会には不安と沈黙が同時に広がる構造が出来上がっていきました。 恐怖があるから声を上げにくく、声が上がらないから前提が検証されない。この循環の中で、あなた自身も「考えること自体を控える」ようになっていたのかもしれません。 次の章では、こうした状況を踏まえたうえで、本当に向き合うべき危機は何だったのか、そしてこれからどのような視点で日本の財政を考え直すべきなのかを整理していきます。
5.本当の危機は「財政」ではなく、私たちの判断力だった ここまで整理してきた事実を踏まえると、浮かび上がってくる結論は一つです。 日本が本当に直面していた危機は「財政破綻」ではありませんでした。 むしろ深刻だったのは、事実ではなく恐怖を前提に、私たちの思考や選択が縛られてきたことです。 「日本はいつか破綻する」という物語を前提にしてしまえば、政策の選択肢は最初から狭められます。増税や歳出削減は「避けられないもの」となり、成長のための投資や国民生活を支える支出は、検討する以前に否定されてしまうからです。 しかし、国会答弁で示されたように、日本は自国通貨建てで国債を発行できる国家です。しかも、世界有数の資産国であり、経常収支も黒字を維持してきました。この現実を前提にすれば、「まず削る」「まず我慢する」以外の選択肢が見えてきます。 大切なのは、「いくら借金があるか」ではなく、その支出が将来に何を残すのかという視点です。 教育、研究開発、インフラ、産業基盤への投資は、短期的には支出として見えますが、長期的には国全体の生産力と安定を高めます。国家財政は、家計簿ではなく、未来への設計図として考える必要があるのです。 また、「将来世代にツケを回す」という言葉も、冷静に考え直す必要があります。 成長のための投資を行わず、経済を停滞させたままにすることこそが、結果として将来世代の選択肢を奪う可能性があるからです。負担とは、借金の額そのものではなく、使われなかった時間や失われた機会なのかもしれません。恐怖ではなく、事実から考える。 前提を疑い、数字の全体像を見る。 その積み重ねが、あなた自身の判断力を取り戻し、日本の政策議論を健全な方向へ戻す第一歩になります。 次はいよいよ最後の章です。ここまでの内容を整理しながら、「破綻しない日本」を前提に、これから何を考え、どこに目を向けるべきかをまとめていきます。
6. まとめ:「破綻しない日本」を前提に、これから何を考えるべきか 本記事では、「日本は財政破綻する」という言説が、事実ではなく長年にわたって共有されてきた物語であった可能性について整理してきました。 国会答弁で示された政府の公式見解、国家と家計の決定的な違い、資産を無視した数字の使われ方、そして恐怖が国民の思考を縛ってきた構造。これらを一つずつ見ていくことで、これまで当たり前だと思わされてきた前提が、必ずしも揺るがないものではなかったことが見えてきたはずです。 日本は、自国通貨建てで国債を発行できる国であり、世界有数の資産国です。 この現実を踏まえれば、「破綻するから我慢する」という発想だけが、唯一の選択肢であるとは言えません。本来、政策とは複数の選択肢の中から、どれを選ぶのかを議論するものです。 それにもかかわらず、私たちは長い間、「国は苦しい」「もう余裕はない」という前提を疑うことなく受け入れてきました。 その結果、賃金が伸びないことも、社会保障が削られることも、「仕方がない現実」として飲み込まされてきたのではないでしょうか。 ここで大切なのは、特定の政策を支持することでも、誰かを批判することでもありません。 あなた自身が、恐怖ではなく事実をもとに考える視点を取り戻すことです。前提が変われば、見える景色も、議論の方向も変わります。 「破綻しない日本」を前提に、どの分野に投資すべきなのか。 どのように国民生活を立て直すべきなのか。 そして、将来世代に本当に残すべきものは何なのか。 こうした問いを考え続けることそのものが、日本社会にとっての力になります。 この記事が、あなたが自分の頭で考え、判断するための一つの材料となれば幸いです。
7.関連記事:恐怖ではなく、事実から日本経済を考えるために ここまで読み進めていただいたあなたは、「日本は財政破綻する」という言葉を、これまでとは少し違った視点で見られるようになっているはずです。 もし、さらに理解を深めたいと感じたのであれば、過去の記事もあわせて読むことで、点と点が線につながっていきます。 1)日本の公的債務:その実態と私たちへの影響⭐️ 今回触れきれなかった制度面の背景を詳しく解説しています。数字の見方が変わると、ニュースの受け取り方も大きく変わるはずです。 2)財政健全化と経済成長の両立:可能性と課題⭐️ 緊縮か成長かという二択ではなく、政策の設計次第で選択肢が広がることを具体例とともに紹介しています。「削るしかない」という思い込みを外すヒントになるでしょう。 3)「世代間格差:財政政策が若者に与える影響」⭐️ 「ツケを回す」という言葉が、どのように使われ、どのような誤解を生んできたのかを丁寧に整理しています。あなた自身の立場から、この問題を考える手がかりになるはずです。 これらの記事はすべて、「恐怖ではなく事実から考える」という共通の視点で書かれています。 一つひとつを読み進めることで、あなたの中にある判断軸が、よりはっきりとした形を持ち始めるでしょう。ぜひ、気になるテーマから読み進めてみてください。 考える材料を増やすことが、あなた自身の選択肢を広げることにつながります。 以上です。 |
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